雨ふり小僧(原作/手塚治虫)
劇団 民話座公演
2002年3月16日〜3月20日

東京芸術劇場小ホール


・・・夏に、職場の方のつてで行ったところの公演で、今回もチラシをもらって、
どうしようかな〜と思ったんですが、手塚治虫さんの原作と聞いて、
行こう。と思ったものでした。(^^;

『雨ふり小僧』は全国をまわって公演しているそうで、小学校、中学校などで
公演されてきているものだそうです。なので、話がわかりやすく、観ていて楽しかったです。

お話は、いじめられっこ『モウ太』とそのモウ太のはいていた長靴を欲しい
妖怪、『雨ふり小僧』のお話です。
長靴を欲しい雨ふり小僧はモウ太の願いを3つ叶えると言います。そんな出会いだった
モウ太と雨ふり小僧は大の仲良しになり、二人でいじめられっこを願いでこらしめたり
します。しかし、モウ太の通っていた分校が火事になったとき、モウ太は最後の
3つ目の願いを雨ふり小僧にします。
『学校の火を消して欲しい!』と。そうしたら長靴をきっとあげるから、出会った
所の橋の下で待っていて欲しいと。
雨ふり小僧は頑張ります。頑張って火を消すことができました。
・・・が、モウ太は火事の後の慌しさから雨ふり小僧とした大切な『約束』を忘れてしまいます。
・・・そして、40年後、ある日娘とのやり取りで大切な『約束』をモウ太は思い出します。
大切な約束だったのに!どうして自分は40年も忘れてしまったんだ!と自分を
責めながら雨ふり小僧との約束の場所に向かいます。そして、そこには・・・。

・・・切なくて、泣けました。40年も待っていた雨ふり小僧。
その頭にかぶっていた傘は40年の歳月を物語るかのように古く、ぼろぼろになって
いました。それでも、仲間に帰って来いよ、と言われてもモウ太のことを信じて
待っていた雨ふり小僧。長靴を持ってきたモウ太に一言も責めることをせずに
消えていった雨ふり小僧。モウ太が大人になったから、見えなくなるんだよ、
と言う・・・。大人はなんでも都合の悪いものは見えなくしてしまうん
でしょうね。だからきっとこういった妖怪たちが見えなくなってしまうんだろな。と
考えてしまいました。・・・身勝手な人間。そんな『約束』さえも忘れてしまう人間に
雨ふり小僧は『優しさ』で答えたのではないかと思います。
そんな優しさを忘れたら、人間は本当にだめになってしまうような気がします。
・・・自分も、そんな気持ちを忘れないでいたいと思います。

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