シアトリカル・ベース・ワンスモア 第16回公演
倭王伝 巻の弐
八岐大蛇
2001年10月18日〜21日 シアターサンモール
声優の難波圭一さんが座長を務める劇団の公演でした。
4、5年前から秋にある公演の舞台を毎年観に行ってましたが、去年の秋の
公演はなく、ちょっとさみしいね〜、と言っていたんですが、今年は二年ぶりに
前回の『倭王伝【車座の物夫達】』の巻の弐として、公演があるとのお知らせを頂き、
喜んで観に行ってきました。お話は前回とは直接繋がってはいなかったんですが。(^^;
出演者は難波さんはもちろん、声優さんが多く出演なさっていて、今回は堀川りょうさん、
松野太紀さん、横山智佐さん、山崎和佳奈さんなど、知っている方も多く出演なさって
いました。横山さんはお名前を見たときから
『ルーシアだ!!!』(笑)
と妙な大騒ぎをしておりました。(^^;
お話は「生き神様」を中心にした国での物語です。
日本書紀をベースに創作されているそうです。なんで、ヒミコとか、聴きなれた
人の名前なんかも聞きました。が、さすがその頃(?)の名前、長い・・・。(苦笑)
まず、名前を覚えるのに一苦労。(^^;
お話は、土蜘蛛と呼ばれ、中でも八岐大蛇と呼ばれ怖れられている人々の中の一人、
イメルと、それを敵視しているヤマト王朝の姫、トオチ(姫といっても男勝りの姫でしたが)
との出会いからはじまり、ヤマトの権力争いに巻き込まれていく王家の人々が
書かれていました。
トオチは弟であるタラシヒコと共に、今の王政に疑問を持っていました。そこに土蜘蛛の
イメルと妹、レンカが入る事により、土蜘蛛の知恵を借り、今までにない王政を
目指そうとします。しかし、ハリマという大臣の娘、イナビを娶り、ハリマと共に
王の道を歩んでいくことにより、タラシヒコは変わっていきます。
優しかったタラシヒコからは考えられないような行動に出ます。
友人であるイメルの仲間である土蜘蛛を抹殺したりしてしまいます。
そんな人間のどす黒い感情がもろに感じられて、すごく恐かったです。
・・・あんまり、これは解説になってませんね・・・。すみません〜。(;;)
書き出そうとするとなんだかすごく難しいです。この舞台。(汗)
見ていて特に感じたのは、タラシヒコの表情。松野太紀さんが演じていたんですが、
最初のうちは表情があったんです。それが、中盤から後半にかけて、ハリマと共に
王の道を歩んでいくタラシヒコには、元の優しい表情を感じられなかったんです。
感情をすべて押し殺したような顔。・・・そうしなければ王にはなれないんでしょうか?
そんなの悲しすぎます。でも、レンカを手にかけた時、タラシヒコには涙が浮かんでました。
それが、まだ救いかなって思いました。わたしも涙が出てきました。このシーン。
・・・どうして人は戦うんでしょう?戦いは何も残らないのに。悲しみと憎しみしか
残らないのに。どうして・・・。と観ている間中考えてました。
『国がなくなればきっと戦いもなくなるのにね・・・。』
と言ったトオチの言葉、すごく重かったです。
全体としては、すごくテーマが重いです。前回も、今回も。・・・難しい。(苦笑)
前回、最後に舞台上に物語上、重要な位置にある(って、説明では全然触れてませんね。(^^;
アメノムラクモノツルギが突き刺さって終わったんですけど、今回も位置がちょっと変わって、
同じ手法だったんですよね・・・。ということは、また続くのか?!これ!
と、推測されるんですが・・・。どうなんでしょうね一体。(苦笑)
今回は、横山智佐さん(トオチ)とイメル役の鈴木淳さんが結構出張ってましたね。
かっこよかったです。殺陣とかもすごく迫力があってよかった!
また、次回を楽しみにしていたいと思います。
みなさま、お疲れ様でした。(^^)